News症例紹介院長のブログ

2022.07.14

辺縁切除により消失した犬の悪性黒色腫の一例

犬の悪性黒色腫とは

悪性黒色腫(メラノーマ)は犬の口腔の腫瘍で最も多い悪性腫瘍で、強い浸潤性と遠隔転移しやすい特徴を持っています

詳しくはこちら➡︎犬の口腔悪性黒色腫・獣医腫瘍科1種認定医が解説

その中でも、歯肉に発生した悪性黒色腫に辺縁切除を行った例をご紹介します。

犬の悪性黒色腫の症例紹介

チワワ 15歳 メス

重度の心臓病で通院中、口からの出血と子宮疾患で緊急手術を行うことになりました

術前検査で、口腔内腫瘍が疑われました。

犬の悪性黒色腫の検査所見

体重2.2kg 体温37.8℃ 心拍数132回/分 呼吸数40回/分
一般状態   :元気はないが、口を触らせない
一般身体検査 :重度の心臓弁膜症・右下顎の歯肉に出血(軟性腫瘤)
画像検査   :遠隔転移なし・子宮に無エコーの液体貯留
血液検査   :貧血(Hct15.7%)・慢性腎臓病ステージ2

犬の悪性黒色腫の外科治療

第1病日 輸血を実施してから、全身麻酔下で手術を行いました

①歯肉の腫瘍は生検を兼ねて「腫瘍辺縁切除術」を実施しました

腫瘍は右下顎の第一後臼歯の内側に存在し、表面から出血をしていました

病理検査結果「悪性黒色腫 マージンクリア」 核分裂指数は10.1/HPF

②子宮卵巣は通常の摘出術を実施しましたが、「子宮水腫」でした

犬の悪性黒色腫の経過

本症例は様々な持病を抱えていたため、一回の手術のみで経過を見ることにしました。

病理検査結果によると悪性度が高く、核分裂指数も高いので、早期の再発が予想されていました。

しかし、、、、1年半経過した現在、転移・再発はありません。脅威的な回復を遂げました!

ご家族の感想

「子宮の病気で手術をすることになったのですが、先生が気になる所を見て、口の中に癌を見つけてくださいました。同時にオペとなりましたが先生やスタッフさんたちは、献身的に親身に対応してくれて、安心してお任せすることができました。今年17歳になりますが、術後の経過も良く腫瘍は消えたそうです。とても良い病院に出会えた事を感謝してます。」

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この記事を書いたひと

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武信

浜松家畜病院院長

飼っている動物:大型犬2匹、小型犬2匹
趣味:音楽鑑賞・キャンプ
性格:まとめ上手

【メッセージ】
子供の時から動物好き、獣医師である祖父に憧れて、今に至ります。
はじめて担当した患者さんがガンで悩んでいたことから、腫瘍専門の獣医師に。
動物の病気に悩んだ時は、気軽に相談してください、一緒に考えます。

    このブログの監修

    武信行紀(たけのぶゆきのり)浜松家畜病院院長

    武信行紀(たけのぶゆきのり)

    治療方針:恩師の言葉である「慈愛理知」(慈しみと愛をもって動物と飼い主に接し、理論と最新の知識をもって診療に当たる)を胸に、人と動物の絆に貢献します。

    経歴:

    • 鳥取県鳥取市出身
    • 1999年 麻布大学獣医学科卒業
    • 2005~2009年 麻布大学腫瘍科レジデント(サブチーフを務める)
    • 2013年 獣医腫瘍科認定医1種取得
    • 2014年 日本獣医がん学会理事就任現在に至る

    所属学会・研修:

    • 日本獣医がん学会
    • 獣医麻酔外科学会
    • 獣医整形外科AOprinciplesCorse研修課程終了
    • RECOVER BLS&ALS 研修課程終了

    主な執筆・学会発表

    • 2003年~2007年 「犬の健康管理」 ANIMAL WORLD連載
    • 2005年 「拡大乳腺切除および補助的化学療法により,良好な経過が得られた猫乳腺癌の1例.」(第26回動物臨床医学会年次大会)
    • 2006年 「血管周皮腫の臨床的研究」(第27回動物臨床医学会年次大会)
    • 2008年 「外科切除および放射線治療を行った高分化型線維肉腫の2例」(第27回日本獣医がん研究会, JONCOL2008/No.5)
    • 2009年 「特集:血管周皮腫」 (InfoVets 2008/8月号)
    • 2010年 『小動物臨床腫瘍学の実際』 翻訳参加 (Withrow & MacEwen's Small Animal Clinical Oncology 4th ed.)
    • 2010年 「外科切除を行い良好な経過が得られた乳頭状扁平上皮癌の1例」(第30回獣医麻酔外科学会)
    • 2010年 「肝破裂による血腹が見られた猫の肝アミロイド―シスの一例」(第19回中部小動物臨床研究会)
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