犬の悪性黒色腫とは

悪性黒色腫(メラノーマ)は犬の口腔の腫瘍で最も多い悪性腫瘍で、強い浸潤性と遠隔転移しやすい特徴を持っています

詳しくはこちら➡︎犬の口腔悪性黒色腫・獣医腫瘍科1種認定医が解説

その中でも、歯肉に発生した悪性黒色腫に辺縁切除を行った例をご紹介します。

犬の悪性黒色腫の症例紹介

チワワ 15歳 メス

重度の心臓病で通院中、口からの出血と子宮疾患で緊急手術を行うことになりました

術前検査で、口腔内腫瘍が疑われました。

犬の悪性黒色腫の検査所見

体重2.2kg 体温37.8℃ 心拍数132回/分 呼吸数40回/分
一般状態   :元気はないが、口を触らせない
一般身体検査 :重度の心臓弁膜症・右下顎の歯肉に出血(軟性腫瘤)
画像検査   :遠隔転移なし・子宮に無エコーの液体貯留
血液検査   :貧血(Hct15.7%)・慢性腎臓病ステージ2

犬の悪性黒色腫の外科治療

第1病日 輸血を実施してから、全身麻酔下で手術を行いました

①歯肉の腫瘍は生検を兼ねて「腫瘍辺縁切除術」を実施しました

腫瘍は右下顎の第一後臼歯の内側に存在し、表面から出血をしていました

病理検査結果「悪性黒色腫 マージンクリア」 核分裂指数は10.1/HPF

②子宮卵巣は通常の摘出術を実施しましたが、「子宮水腫」でした

犬の悪性黒色腫の経過

本症例は様々な持病を抱えていたため、一回の手術のみで経過を見ることにしました。

病理検査結果によると悪性度が高く、核分裂指数も高いので、早期の再発が予想されていました。

しかし、、、、1年半経過した現在、転移・再発はありません。脅威的な回復を遂げました!

ご家族の感想

「子宮の病気で手術をすることになったのですが、先生が気になる所を見て、口の中に癌を見つけてくださいました。同時にオペとなりましたが先生やスタッフさんたちは、献身的に親身に対応してくれて、安心してお任せすることができました。今年17歳になりますが、術後の経過も良く腫瘍は消えたそうです。とても良い病院に出会えた事を感謝してます。」

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