猫の「軟部組織肉腫」とは
非上皮性細胞由来の悪性固形腫瘍の総称です。
主に皮下に発生する悪性神経鞘腫や悪性線維性組織球腫(MFH)等、いくつかの腫瘍が属しており、再発率の高い腫瘍です。
ネコの注射部位(背側・臀部)に発生する場合は「注射部位関連肉腫」と呼ばれ、より転移率・浸潤性が高くなります。
→注射部位肉腫についてはコチラ
軟部組織肉腫の症例紹介
雑種猫 去勢オス 15歳
2ヶ月前に気づいた右脇腹〜背側の腫瘍、最近急速に増大したため受診されました。
既往歴:特になし
軟部組織肉腫の検査所見
体重6.8kg 体温38.0℃ 心拍数140回/分 呼吸数30回/分
一般状態 :良好
一般身体検査 :右側腹に2.5㎝の皮下腫瘤あり。
レントゲン検査:特記すべき異常所見なし
血液検査 :異常所見なし
細胞診 :紡錘形の腫瘍細胞とリンパ球が多数採取されました
仮診断 :由来不明腫瘍、注射部位肉腫の可能性も
軟部組織肉腫の外科治療
第3病日 「腫瘍切除術」実施。底部の筋肉を含めて切除しました。
麻酔に問題はなく、覚醒も良好でした。
軟部組織肉腫の病理検査
術後の病理診断は「軟部組織肉腫 マージンフリー」でした
腫瘍細胞の異型性は中程度であり、核分裂指数(10視野合計)は13でした。
核分裂指数とは?
病理組織を高倍率の顕微鏡で観察して、10視野の核分裂像を合計した数値のことです。
がんの悪性度を表す指標として病理検査報告書に、しばしば登場するキーワードです。
軟部組織肉腫では核分裂指数と予後に相関性が認められていて、
この数値が9を超えると予後が悪いという報告があります。
また、注射部位肉腫ではこの指数が高いと考えられています。
軟部組織肉腫の補助治療
上記のことから、本症例では補助治療としてカルボプラチンによる化学療法を実施いたしました。
その後、腎臓病や他の腫瘍を発症したりしましたが、上記の腫瘍については6ヶ月以上再発・転移は認められていません。
元気に長生きしてほしいですね。
ご家族の感想
「先日も目の上にコブのようなものが見つかり、再発が心配になり来院しました。
先生やスタッフの方々とても親切で安心しておまかせできます。
もとの悪性腫瘍は、引っ越してくる前からありまして、こちらの病院にかかり悪性のものと判明しました。
近所の病院で適切な治療が受けられたのはラッキーだと思います。」
軟部組織肉腫の治療など、犬猫の病気の治療をどうすれば良いか分からない場合は、いつでもご相談ください。
あれ??何か腫れてない?
そういえば最近体重が減っているかも・・・・
触ると嫌がるようになった???
等々、何か異変を感じた場合は、当院までご相談下さい!!!
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