指先の扁平上皮癌とは
指先腫瘍の代表格は扁平上皮癌(およそ50%)とメラノーマ(およそ16%)で、どちらも悪性腫瘍です。
指先のことを獣医学では爪床と言い、大型犬や黒い毛の犬は爪床腫瘍が多いと言われています。
皮膚の扁平上皮癌やメラノーマが転移することはまれですが、爪床の扁平上皮癌は浸潤性が強く骨を溶かし、爪床メラノーマは転移をします。
爪床悪性腫瘍の治療は、多くの場合、「断指術」が適応されます。
扁平上皮癌の症例紹介
トイプードル 13歳 去勢オス
1週間前から後ろ足の指が腫れてきた、とご来院されました。
扁平上皮癌の検査所見
体重6.5kg 体温38.0℃ 心拍数120回/分 呼吸数30回/分
一般状態 :良好
一般身体検査 :病変部以外、異常なし
画像検査:爪床~指節骨の浸潤性骨破壊。遠隔転移なし。
血液検査 :特記すべき異常なし
細胞診 :桿菌・扁平上皮細胞集塊
仮診断 :扁平上皮癌の可能性
指先の扁平上皮癌の治療
第30病日 「断指術」実施
病理組織検査:扁平上皮癌
指先の扁平上皮癌の経過
扁平上皮癌は犬の皮膚腫瘍の5%を占めると言われ一般的に、局所浸潤性が高く、遠隔転移性は低いとされていますが、
爪床の扁平上皮癌の1年生存率は50%とされています。
外科療法が生存期間を延長し、痛みを取る最善の方法です。
出典:Canine Digital Tumors : A Veterinary Cooperative Study of 64 Dogs.2005.
本症例も手術後、再発もなく元気に過ごしておられました。
先日、「お亡くなりになった」と連絡を受けましたが、初診から758日目のことでした。
約2年間の間、再発なく過ごせたことになります。
手術を決断されたご家族の想いが功を奏しました。
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