悪性毛包上皮腫とは?
毛包上皮腫は毛穴から発生する良性腫瘍で、犬ではよく見られます。
中年齢の犬に多く、背中にオデキのようなシコリができて気づきます。
皮下で袋状に膨らんで破裂してしまうと、ひどい炎症を起こすこともあります。
一方、悪性毛包上皮腫は犬での報告が少なく、希な疾患とされています。
良性の毛包上皮腫は切除により治癒しますが、悪性毛包上皮腫は再発や転移を起こします。
悪性毛包上皮腫の症例紹介
ゴールデンレトリバー 去勢オス 8歳
以前からあるお尻のしこりが爆ぜました。
かかりつけ動物病院では悪性腫瘍を疑い、直ちに当院を紹介受診となりました。
急速に増大した臀部の腫瘍、表面が自壊し出血していました。
悪性毛包上皮腫の検査所見
体重42kg 体温38.0℃ 心拍数100回/分 呼吸数30回/分
一般状態 :良好
一般身体検査 :尾の付け根の背側に10㎝の皮下腫瘤あり。皮膚との固着、自壊あり。
レントゲン検査:特記すべき異常所見なし
血液検査 :特記すべき異常所見なし
細胞診 :角化物の集塊と炎症細胞を認めた。
仮診断 :表皮嚢胞の自潰
悪性毛包上皮腫の外科治療
確定診断と疼痛管理を兼ねて、オーナーは切除を希望されました。
第7病日 「腫瘍切除術」実施。
麻酔に問題はなく、覚醒も良好であった。
術後病理診断は 「悪性毛包上皮腫(低悪性度)」でした。
悪性毛包上皮腫のまとめ
通常だと、間違いなく良性の疾患だと考えてしまうこのような病気が、病理検査により悪性であることが発覚しました。
このような低悪性度の腫瘍が転移を起こすことはまれですが、しばらくの間は経過観察としました。
悪性毛包上皮腫は珍しい腫瘍ですが、再発やリンパ節転移、時には骨転移で予想外に苦労することがありますので、ご注意ください。
参考文献 「信田 卓男ら(2008)骨転移をきたした悪性毛包上皮腫の犬の1例;動物臨床医学17(4) 117-122」
ご家族の感想
「家族の一員として長生きしてもらいたい。先生に手術してもらい、感謝しています。
これからもよろしくお願いします。」
悪性毛包上皮腫の治療など、犬猫の病気の治療をどうすれば良いか分からない場合は、いつでもご相談ください。
あれ??何か腫れてない?
そういえば最近体重が減っているかも・・・・
触ると嫌がるようになった???
等々、何か異変を感じた場合は、当院までご相談下さい!!!
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