血管肉腫とは
血管内皮細胞由来の悪性腫瘍です。犬では脾臓や心臓原発が知られていますが、皮膚を含めた身体のどの部位にも発生します。
内臓の腫瘍が転移してくることもあるため、注意が必要です。
細胞診では写真のような強い異型性を伴う細胞が観察されますが、採取部位によっては血液などしか取れず「非特異的所見」となります。
血管肉腫の症例紹介
ゴールデンレトリバー 避妊メス 5歳
秋にみつけた内股のしこり(うずら卵大)が年明けに急速増大。
かかりつけ動物病院で行った細胞診は「非特異的所見」であり、セカンドオピニオンとして紹介受診となりました。
血管肉腫の検査所見
体重34kg 体温38.0℃ 心拍数110回/分 呼吸数30回/分
一般状態 :良好
一般身体検査 :右側最後乳腺直下に6㎝の皮下腫瘤あり。皮膚との固着あり。
内部には液体貯留。
レントゲン検査:特記すべき異常所見なし
血液検査 :特記すべき異常所見なし
細胞診:血液細胞と炎症細胞を認める。
血管肉腫の外科治療
確定診断と治療を兼ねて、オーナーは切除を希望されました。
第7病日 「腫瘍切除術」実施。
腫瘍は嚢胞状に皮下に存在。右側の最後乳腺〜リンパ節を含めて一括切除しました。
麻酔に問題はなく、覚醒も良好でした。
術後病理診断は 「血管肉腫 マージンクリア」
腫瘍細胞の異型性は軽度~中程度で、腫瘍細胞は周囲脂肪組織へ浸潤性に増殖していました。脈管内浸潤やソ径リンパ節転移も認められませんでした。
血管肉腫の補助治療
皮膚の血管肉腫は、病変が原発であれば侵襲性が弱い傾向があり、転移率も低いため、切除によって長期生存が期待できます。
ただし、内臓など他の臓器からの転移(または同時多発病変の1つ)である場合には、全身播種から短期の予後をたどります。
一見、他に病変がなく見えても非肉眼病変の転移や多発病巣を確実に調べることは難しく、油断は禁物です。
上記のことから、本症例には補助的化学療法を実施中です。
ご家族の感想
秋頃しこりが見つかって、年明けに切除していただいてすっきりした気持ちでした。
悪性なんて思ってもいませんでした。告知された時は頭が真っ白で「なんでうちの子が」と絶望的な気持ちになりました。
家族で散々泣いて、今は前向きに向き合えていると思います。
病院の先生はじめ、スタッフの皆さんが親切で温かく寄り添ってくださるので、安心して治療できています。
今の所、変わらず元気でよく食べてくれるので、日々に感謝し大切に過ごしたいと思います。
血管肉腫の治療など、犬猫の病気の治療をどうすれば良いか分からない場合は、いつでもご相談ください。
あれ??何か腫れてない?
そういえば最近体重が減っているかも・・・・
触ると嫌がるようになった???
等々、何か異変を感じた場合は、当院までご相談下さい!!!
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