こんにちは。獣医師の竹田です。
先日、院長の紹介でteam HOPEの整形外科実習を受けてきました。
整形外科は、正直臨床の中で最も頭を悩まされる分野であり、今回の内容は非常に面白いものがありましたので、メモがてら書き記したいと思います。
近年では、室外飼育の減少と共に、交通事故も減り、特に超小型犬種(トイプードルやチワワなど)がソファから飛び降りた際などに起きる骨折がほとんどです。しかも、骨折の場所は前腕骨遠位と、とても繊細な部分で多く、超小型犬であるが故に皮質骨や軟部組織が薄いため、手術や術後管理は簡単ではありません。
そこで工夫され、獣医療に導入されたのが新しいプレート固定 「Locking Compression Plate 」ということです。
従来のプレート固定と何が違うのか
従来のプレート固定は、プレートを骨に強く押し当て圧迫し、摩擦力によって強い固定力を得るのが狙いです。
しかし、強く骨に押し当てることによって骨膜の血流が減少して起きる骨吸収や骨の表面に沿わない不適切なプレートの形状(不適切なベンディング)による骨癒合不全が起き、問題となる場合がありました。
これらの問題点をカバーした新しいLCPシステムでは、骨膜の血流を維持するように固定し、また、骨の形状に合わせたベンディングを比較的必要としないなど様々な良い点があるということでした。(画像:Synthes LCP System)
実習も3時間ほどさせて頂き、大変勉強になりました。
今回の整形外科実習を提供して頂いたteam HOPE、DePuy Synthesの方々に感謝です。