犬の軟骨肉腫とは
骨の腫瘍にも良性と悪性とがあります。
良性の場合は体の別の部位へ腫瘍が広がることはなく、生命の危険度はほぼありません。
これに対し悪性の場合は転移を起こして広がっていくため、生命に危険が及びます。
多くの骨腫瘍は悪性で、強い痛みを伴うとされています。
そのような場合は早急に手術をするかどうか決める必要があり、手術によって不快感を軽減し、良い生活の質「Quality Of Life」をもたらすチャンスもでてきます。
悪性腫瘍の代表は骨肉腫ですが、そのおよそ90%が、すでに肺転移を起こしています。
軟骨肉腫は骨肉腫よりも悪性度は低いのですが、再発することが多い腫瘍とされています。
症例紹介
フレンチブルドッグのHちゃんは8歳の男の子。
左後ろ足の痛みで来院されました。
後ろ足の付け根(左大腿部)に大きな腫れ(直径10cm)があります。
骨ではなく、関節と筋肉に腫瘍があることがわかったので、
腫瘍の一部に針を刺して組織検査(コア生検)を行いました。
検査結果は「軟骨肉腫」。
悪性度の強いガンです。
すでに腫瘍は太ももから股関節の筋肉を巻き込んでいるため、
命をつなぐには後ろ足を切断する必要があります。
この手術を「断脚術」と言います。
とても辛い選択でしたが、飼い主さんは手術を決断されました。
断脚術には大きく分けて、膝を残す方法(膝関節温存)、股関節まで切る方法(体幹部断脚)、骨盤まで切る方法(骨盤半切術)などがあります。
今回、腫瘍は股関節まで達していたため、骨盤の骨まで切除する必要も考えられましたが、
早期の診断が功を奏して、骨盤ギリギリで腫瘍を取り切ることができました。
切除後の病理検査では、悪性度を示す分裂指数は10視野合計で6でした。
軟部組織にできた腫瘍では、分裂指数が9以下の場合は比較的予後が良いとの報告が多数あります。
今回の腫瘍は比較的、悪性度が低いと考えられました。
とはいえ、軟骨肉腫は再発率の高い悪性腫瘍のため、手術後も気を抜くことはできません。
再発や転移のチェックをしながら経過を見ていきました。
そして、、、Hちゃんは今年で13歳になります。
ガンを切除してから5年を迎えました。
嬉しいことに、一回の手術で根治することができたといえます。
軟骨肉腫の治療など、犬猫の病気の治療をどうすれば良いか分からない場合は、いつでもご相談ください。
あれ??何か太ももが腫れてない?
そういえば最近体重が減っているかも・・・・
お尻を触ると嫌がるようになった???
等々何か異変を感じた場合は、当院までご相談下さい!!!
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