皆さん、こんにちは 😀

昨年7月から浜松家畜病院に勤め始めました獣医師の大山です

もうすでにお会いした方も多いと思いますが、是非是非よろしくお願いいたします

 

今回は病気ではないですが、自分自身注意しなくてはと改めて思った症例です。

 

プロフィール:生後6ヶ月の男の子の猫ちゃん

主訴:他の動物病院で去勢手術した後から呼吸がかなり苦しそうで食欲も落ちているとのこと

 

 

早速、レントゲンを撮影しました

 

 

 

レントゲン所見としては

 

気管の軽度裂傷

それに伴う頸部の気体貯留

肺前葉の不透過性亢進像

皮下気腫

 

つまり、何らかの原因によって吸った息が肺まで行くための気管が傷つき、

そこから空気が漏れ、合わせて軽度の肺炎にもなりかかっていたようです。

 

おそらく去勢手術をした病院で、麻酔の際にいれる気管チューブで

 

 

気管を傷つけてしまったのでしょう。術前のレントゲンがないので確定はできませんが。。。

来院から21日目

 

 

さいわい、呼吸器疾患の対処療法にて改善し、元気な鳴き声も出るようになりました

 

猫の呼吸器組織というのは犬に比べて脆いため、気管チューブを入れる場合は細心の注意が必要です

ですから猫ちゃんの手術後には、飼い主様も呼吸がおかしくないか十分注意をして欲しいです

もちろん、このようなことは稀なケースであり、全身麻酔を過度に怖がる必要性はありません

 

全身麻酔。

 

全身麻酔は

☆各種手術

☆痛みを伴う検査

☆動くと実施できない検査

などに用います。

 

これは動物たちに苦痛や負担を少なくするために必要なものです

 

しかし飼い主様にお話しするとやはり皆さん、負のイメージが強いですよね

 

全身麻酔で死んでしまうのではないか、全身麻酔って大きな病気の時にしかやらないのでは

などの意見が多いです。

 

しかし、怖いと思うのは全身麻酔というものが未知なるものだからではないでしょうか?

 

実際、こういう症例をご覧いただいて、何がどう怖いのかというのがわかることで

少しでも全身麻酔へのご理解が深まると嬉しいです

 

今回は、麻酔の呼吸器へのリスクの具体例でした

 

少しでもこのようなリスクを減らすため 、術前術後での違いを確認するためにも、

手術前の血液検査とレントゲン検査をやりましょう

 

当院の避妊去勢手術の術前検査の実施は任意ではありますが、

少しでも安全な麻酔のために実施を選択して欲しいです

 

以上、大山の初めてのブログ投稿でしたー

 

追伸

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