News症例紹介

2020.04.08

全身麻酔って怖い!?

皆さん、こんにちは 😀

昨年7月から浜松家畜病院に勤め始めました獣医師の大山です

もうすでにお会いした方も多いと思いますが、是非是非よろしくお願いいたします

 

今回は病気ではないですが、自分自身注意しなくてはと改めて思った症例です。

 

プロフィール:生後6ヶ月の男の子の猫ちゃん

主訴:他の動物病院で去勢手術した後から呼吸がかなり苦しそうで食欲も落ちているとのこと

 

 

早速、レントゲンを撮影しました

 

 

 

レントゲン所見としては

 

気管の軽度裂傷

それに伴う頸部の気体貯留

肺前葉の不透過性亢進像

皮下気腫

 

つまり、何らかの原因によって吸った息が肺まで行くための気管が傷つき、

そこから空気が漏れ、合わせて軽度の肺炎にもなりかかっていたようです。

 

おそらく去勢手術をした病院で、麻酔の際にいれる気管チューブで

 

 

気管を傷つけてしまったのでしょう。術前のレントゲンがないので確定はできませんが。。。

来院から21日目

 

 

さいわい、呼吸器疾患の対処療法にて改善し、元気な鳴き声も出るようになりました

 

猫の呼吸器組織というのは犬に比べて脆いため、気管チューブを入れる場合は細心の注意が必要です

ですから猫ちゃんの手術後には、飼い主様も呼吸がおかしくないか十分注意をして欲しいです

もちろん、このようなことは稀なケースであり、全身麻酔を過度に怖がる必要性はありません

 

全身麻酔。

 

全身麻酔は

☆各種手術

☆痛みを伴う検査

☆動くと実施できない検査

などに用います。

 

これは動物たちに苦痛や負担を少なくするために必要なものです

 

しかし飼い主様にお話しするとやはり皆さん、負のイメージが強いですよね

 

全身麻酔で死んでしまうのではないか、全身麻酔って大きな病気の時にしかやらないのでは

などの意見が多いです。

 

しかし、怖いと思うのは全身麻酔というものが未知なるものだからではないでしょうか?

 

実際、こういう症例をご覧いただいて、何がどう怖いのかというのがわかることで

少しでも全身麻酔へのご理解が深まると嬉しいです

 

今回は、麻酔の呼吸器へのリスクの具体例でした

 

少しでもこのようなリスクを減らすため 、術前術後での違いを確認するためにも、

手術前の血液検査とレントゲン検査をやりましょう

 

当院の避妊去勢手術の術前検査の実施は任意ではありますが、

少しでも安全な麻酔のために実施を選択して欲しいです

 

以上、大山の初めてのブログ投稿でしたー

 

追伸

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浜松家畜病院

静岡県浜松市の動物病院です。診療対象動物は、犬、猫、ウサギ、ハムスター、フェレットなど。総合診察、予防接種 からがん・アレルギーなどの専門医療、食事や健康管理相談、しつけ相談まで幅広く対応しています。

このブログの監修

武信行紀(たけのぶゆきのり)浜松家畜病院院長

武信行紀(たけのぶゆきのり)

治療方針:恩師の言葉である「慈愛理知」(慈しみと愛をもって動物と飼い主に接し、理論と最新の知識をもって診療に当たる)を胸に、人と動物の絆に貢献します。

経歴:

  • 鳥取県鳥取市出身
  • 1999年 麻布大学獣医学科卒業
  • 2005~2009年 麻布大学腫瘍科レジデント(サブチーフを務める)
  • 2013年 獣医腫瘍科認定医1種取得
  • 2014年 日本獣医がん学会理事就任現在に至る

所属学会・研修:

  • 日本獣医がん学会
  • 獣医麻酔外科学会
  • 獣医整形外科AOprinciplesCorse研修課程終了
  • RECOVER BLS&ALS 研修課程終了

主な執筆・学会発表

  • 2003年~2007年 「犬の健康管理」 ANIMAL WORLD連載
  • 2005年 「拡大乳腺切除および補助的化学療法により,良好な経過が得られた猫乳腺癌の1例.」(第26回動物臨床医学会年次大会)
  • 2006年 「血管周皮腫の臨床的研究」(第27回動物臨床医学会年次大会)
  • 2008年 「外科切除および放射線治療を行った高分化型線維肉腫の2例」(第27回日本獣医がん研究会, JONCOL2008/No.5)
  • 2009年 「特集:血管周皮腫」 (InfoVets 2008/8月号)
  • 2010年 『小動物臨床腫瘍学の実際』 翻訳参加 (Withrow & MacEwen's Small Animal Clinical Oncology 4th ed.)
  • 2010年 「外科切除を行い良好な経過が得られた乳頭状扁平上皮癌の1例」(第30回獣医麻酔外科学会)
  • 2010年 「肝破裂による血腹が見られた猫の肝アミロイド―シスの一例」(第19回中部小動物臨床研究会)
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