News症例紹介院長のブログ

2022.07.04

指が腫れてる?
指先の扁平上皮癌

指先の扁平上皮癌とは

 指先腫瘍の代表格は扁平上皮癌(およそ50%)とメラノーマ(およそ16%)で、どちらも悪性腫瘍です。

 指先のことを獣医学では爪床と言い、大型犬や黒い毛の犬は爪床腫瘍が多いと言われています。

 皮膚の扁平上皮癌やメラノーマが転移することはまれですが、爪床の扁平上皮癌は浸潤性が強く骨を溶かし、爪床メラノーマは転移をします。

 爪床悪性腫瘍の治療は、多くの場合、「断指術」が適応されます。

 

扁平上皮癌の症例紹介

トイプードル 13歳 去勢オス

1週間前から後ろ足の指が腫れてきた、とご来院されました。

扁平上皮癌の検査所見

体重6.5kg 体温38.0℃ 心拍数120回/分 呼吸数30回/分
一般状態   :良好
一般身体検査 :病変部以外、異常なし

画像検査:爪床~指節骨の浸潤性骨破壊。遠隔転移なし。
血液検査   :特記すべき異常なし

細胞診    :桿菌・扁平上皮細胞集塊

仮診断 :扁平上皮癌の可能性

指先の扁平上皮癌の治療

 第30病日 「断指術」実施

病理組織検査:扁平上皮癌

切除した指先の腫瘍

指先の扁平上皮癌の経過

扁平上皮癌は犬の皮膚腫瘍の5%を占めると言われ一般的に、局所浸潤性が高く、遠隔転移性は低いとされていますが、

爪床の扁平上皮癌の1年生存率は50%とされています。

外科療法が生存期間を延長し、痛みを取る最善の方法です。

 出典:Canine Digital Tumors : A Veterinary Cooperative Study of 64 Dogs.2005.

 

本症例も手術後、再発もなく元気に過ごしておられました。

先日、「お亡くなりになった」と連絡を受けましたが、初診から758日目のことでした。

約2年間の間、再発なく過ごせたことになります。

手術を決断されたご家族の想いが功を奏しました。

 

 

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この記事を書いたひと

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武信

浜松家畜病院院長

飼っている動物:大型犬2匹、小型犬2匹
趣味:音楽鑑賞・キャンプ
性格:まとめ上手

【メッセージ】
子供の時から動物好き、獣医師である祖父に憧れて、今に至ります。
はじめて担当した患者さんがガンで悩んでいたことから、腫瘍専門の獣医師に。
動物の病気に悩んだ時は、気軽に相談してください、一緒に考えます。

    このブログの監修

    武信行紀(たけのぶゆきのり)浜松家畜病院院長

    武信行紀(たけのぶゆきのり)

    治療方針:恩師の言葉である「慈愛理知」(慈しみと愛をもって動物と飼い主に接し、理論と最新の知識をもって診療に当たる)を胸に、人と動物の絆に貢献します。

    経歴:

    • 鳥取県鳥取市出身
    • 1999年 麻布大学獣医学科卒業
    • 2005~2009年 麻布大学腫瘍科レジデント(サブチーフを務める)
    • 2013年 獣医腫瘍科認定医1種取得
    • 2014年 日本獣医がん学会理事就任現在に至る

    所属学会・研修:

    • 日本獣医がん学会
    • 獣医麻酔外科学会
    • 獣医整形外科AOprinciplesCorse研修課程終了
    • RECOVER BLS&ALS 研修課程終了

    主な執筆・学会発表

    • 2003年~2007年 「犬の健康管理」 ANIMAL WORLD連載
    • 2005年 「拡大乳腺切除および補助的化学療法により,良好な経過が得られた猫乳腺癌の1例.」(第26回動物臨床医学会年次大会)
    • 2006年 「血管周皮腫の臨床的研究」(第27回動物臨床医学会年次大会)
    • 2008年 「外科切除および放射線治療を行った高分化型線維肉腫の2例」(第27回日本獣医がん研究会, JONCOL2008/No.5)
    • 2009年 「特集:血管周皮腫」 (InfoVets 2008/8月号)
    • 2010年 『小動物臨床腫瘍学の実際』 翻訳参加 (Withrow & MacEwen's Small Animal Clinical Oncology 4th ed.)
    • 2010年 「外科切除を行い良好な経過が得られた乳頭状扁平上皮癌の1例」(第30回獣医麻酔外科学会)
    • 2010年 「肝破裂による血腹が見られた猫の肝アミロイド―シスの一例」(第19回中部小動物臨床研究会)
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