News症例紹介院長のブログ

2022.08.05

肉球が腫れてくる?
形質細胞性肢端皮膚炎とは

猫の形質細胞性肢端皮膚炎とは

猫の形質細胞性肢端皮膚炎(pillow foot)は、足の肉球が腫れる病気です。

はじめは痛みやかゆみはありませんが、進行すると痛みが生じることがあります。

原因はよくわかっていませんが、免疫が関係しているのではと考えられています。

ネコ免疫不全ウイルス (FIV) 感染との関連がいくつかの研究で報告されているため、このウイルスについて調べることも重要です。(形質細胞性肢端皮膚炎のネコの約50%がFIV陽性です。)

はじめに悪性腫瘍との鑑別診断は必要ですが、この疾患であるとわかれば、治療により改善します。

形質細胞性肢端皮膚炎の症例紹介

日本猫 避妊メス 1歳

半年前から肉球の腫れに気づいた。最近になって痛みが出てきた。

との主訴で、かかりつけ動物病院からの紹介で来院されました。

形質細胞性肢端皮膚炎の検査所見

体重4.78kg 心拍数120回/分 呼吸数30回/分
一般状態   :良好
一般身体検査 :肉球の腫脹(複数の足に発生)

画像検査   :異常所見なし
血液検査   :FIV陰性・FeLV陰性・グロブリン5.7(高値)

仮診断    :形質細胞性肢端皮膚炎

形質細胞性肢端皮膚炎の治療

きちんと診断するためには生検が必要であることをお話しし、飼い主様と相談した結果、

生検を行うまでの間、内服薬による治療の反応を観察することにしました。

初診時の足裏の写真(右後の指、右前の肉球、左前の肉球)

投薬2週間後の写真

投薬4週間後の写真

写真では伝わりづらいのですが、腫れが引いて肉球が柔らかく萎みました。

痛みもすっかり無くなりました。

形質細胞性肢端皮膚炎のまとめ

初期治療は免疫調整作用のある抗生物質を使用することが多く、論文上は80%の症例で改善するそうです。

その他の治療にはステロイド、免疫抑制剤などがあり、最後の選択肢は外科切除です。

どの薬剤も漸減して落ち着いていれば終了し、再発を繰り返す場合は継続投与をします。

*上記の情報の多くは当院顧問(皮膚科)の大隅尊史先生に教えていただきました。

 (日頃より情報提供をいただきありがとうございます、この場をかりて感謝致します。)

飼い主様の感想

「肉球の激しい腫脹があり、破裂寸前のように見られ、痛みもありましたが、

的確な診療ですぐに治療開始され、症状改善したので、とても嬉しいです。

錠剤の服用方法を実演して見せていただいため、自宅での服用がきちんとできました。」

もう肉球は見せないニャン

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すでに他の病院にかかられている方でも、
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浜松家畜病院

静岡県浜松市の動物病院です。診療対象動物は、犬、猫、ウサギ、ハムスター、フェレットなど。総合診察、予防接種 からがん・アレルギーなどの専門医療、食事や健康管理相談、しつけ相談まで幅広く対応しています。

このブログの監修

武信行紀(たけのぶゆきのり)浜松家畜病院院長

武信行紀(たけのぶゆきのり)

治療方針:恩師の言葉である「慈愛理知」(慈しみと愛をもって動物と飼い主に接し、理論と最新の知識をもって診療に当たる)を胸に、人と動物の絆に貢献します。

経歴:

  • 鳥取県鳥取市出身
  • 1999年 麻布大学獣医学科卒業
  • 2005~2009年 麻布大学腫瘍科レジデント(サブチーフを務める)
  • 2013年 獣医腫瘍科認定医1種取得
  • 2014年 日本獣医がん学会理事就任現在に至る

所属学会・研修:

  • 日本獣医がん学会
  • 獣医麻酔外科学会
  • 獣医整形外科AOprinciplesCorse研修課程終了
  • RECOVER BLS&ALS 研修課程終了

主な執筆・学会発表

  • 2003年~2007年 「犬の健康管理」 ANIMAL WORLD連載
  • 2005年 「拡大乳腺切除および補助的化学療法により,良好な経過が得られた猫乳腺癌の1例.」(第26回動物臨床医学会年次大会)
  • 2006年 「血管周皮腫の臨床的研究」(第27回動物臨床医学会年次大会)
  • 2008年 「外科切除および放射線治療を行った高分化型線維肉腫の2例」(第27回日本獣医がん研究会, JONCOL2008/No.5)
  • 2009年 「特集:血管周皮腫」 (InfoVets 2008/8月号)
  • 2010年 『小動物臨床腫瘍学の実際』 翻訳参加 (Withrow & MacEwen's Small Animal Clinical Oncology 4th ed.)
  • 2010年 「外科切除を行い良好な経過が得られた乳頭状扁平上皮癌の1例」(第30回獣医麻酔外科学会)
  • 2010年 「肝破裂による血腹が見られた猫の肝アミロイド―シスの一例」(第19回中部小動物臨床研究会)
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