犬の悪性黒色腫とは

悪性黒色腫(メラノーマ)は犬の口腔の腫瘍で最も多い悪性腫瘍で、強い浸潤性と遠隔転移しやすい特徴を持っています

詳しくはこちら➡︎犬の口腔悪性黒色腫・獣医腫瘍科1種認定医が解説

その中でも、口腔粘膜に発生した悪性黒色腫に辺縁切除を行った例をご紹介します。

犬の悪性黒色腫の症例紹介

シェットランドシープドッグ 12歳 去勢オス

歯磨き中に気づいた口腔粘膜のしこりで来院されました

犬の悪性黒色腫の検査所見

体重14.58kg 体温38.0℃ 心拍数122回/分 呼吸数30回/分
一般状態   :良好
一般身体検査 :左上顎の頬粘膜に1cm大の有茎状軟性腫瘤
画像検査   :遠隔転移なし
血液検査   :異常所見なし

細胞診    :円形〜上皮様の含色素細胞集塊

犬の悪性黒色腫の外科治療

第32病日 生検を兼ねて「腫瘍辺縁切除術」を実施

病理検査結果「悪性黒色腫 マージンクリア」 核分裂指数は5.6/10HPF

診断は悪性黒色腫ステージ1

犬の悪性黒色腫の化学療法

第45病日 術後補助敵化学療法を開始

数回の腫瘍切除と化学療法で3年間経過しました。現在も転移はなく、生活に支障はありません

本症例は通常の悪性黒色腫よりも、おとなしい挙動を示しました。

海外では、粘膜にできるおとなしいタイプの黒色腫「高分化型黒色腫(HWDMN)」が報告されています。

その文献によると、粘膜のHWDMNの核分裂指数は、皮膚の良性メラニン細胞腫瘍と同じく、10高倍率視野 (HPF) 当たり3以下だったとされています。

本症例の核分裂指数は5.6/10HPFですから、HWDMNには当たりませんでした。

ただし、犬の悪性黒色腫は細胞形態から予後予測するのが難しいこともあり、悪性と診断されても長生きする粘膜型の黒色腫はしばしば経験しますので、個人的には頬粘膜などに発生した小型、有茎状黒色腫は再発はするけれど、長生きできる場合があると考えています。

参考:Survival of Dogs Following Surgical Excision of Histologically Well-differentiated Melanocytic Neoplasms of the Mucous Membranes of the Lips and Oral Cavity

ご家族の感想

「先生、スタッフの皆様のおかげで少しずつ良くなっていけそうです。ホッとした思いです。」

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