浜松市近隣にお住いの飼い主様へ | 犬の子宮蓄膿症について知っていますか?
犬の子宮蓄膿症は、高齢の未避妊犬に多く見られる命にかかわる重大な病気です。発症に気付くのが遅れると、急速に全身状態が悪化し、救命が困難になる場合があります。
浜松市で暮らす飼い主様からも「食欲が急に落ちた」「水を大量に飲むようになった」「陰部から膿のような分泌物が出ている」といった相談が少なくありません。この記事では、犬の子宮蓄膿症について分かりやすく解説し、早期に対応できるよう情報をお伝えします!
犬の子宮蓄膿症とは
犬の子宮蓄膿症は、子宮内部に細菌感染が起こり、大量の膿がたまる病気です。特に避妊手術を受けていないメス犬で発症しやすく、放置すると敗血症や多臓器不全に進行し、死亡率が非常に高くなります😨
犬の子宮蓄膿症の原因
子宮蓄膿症の原因はホルモンバランスの変化です。発情後には黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌され、子宮内膜が厚くなります。この状態が繰り返されると細菌が繁殖しやすくなり、特に大腸菌が感染の原因となります。
発症リスクが高い犬は以下の通りです
・6歳以上の未避妊メス犬
・出産経験がない犬
・発情を繰り返している犬
・避妊のための注射や偽妊娠治療でホルモン剤を使用したことがある犬
犬の子宮蓄膿症の症状
子宮蓄膿症には「開放型」と「閉鎖型」があり、それぞれで症状が異なります。
・開放型:陰部から膿や血膿が排出され、飼い主様が比較的早く気付きやすいタイプです。
・閉鎖型:膿が外に出ず、お腹の中にたまり続けるため発見が遅れやすく、全身状態が急速に悪化します。
代表的な症状は以下の通りです。
・食欲不振、元気消失
・水を大量に飲む(多飲)
・尿の量が増える(多尿)
・嘔吐や下痢
・発熱
・腹部膨満
・陰部から膿の排出(開放型の場合)
これらの症状がみられたら、まずはご相談ください!
犬の子宮蓄膿症の診断方法
動物病院では以下の検査を行います。
- 身体検査:体温、脱水、腹部の張りを確認
- 血液検査:白血球数や炎症マーカー(CRP)の上昇を確認
- 腹部エコー検査:子宮内の膿の有無を確認する最も有効な方法
- X線検査:子宮の拡大の確認に有効
特に腹部エコーは、膿がたまった子宮が袋状に拡大している様子を明確に映し出すため診断の要となります。
犬の子宮蓄膿症の治療方法
治療は 外科手術(卵巣子宮摘出術) と 内科治療 に分かれます。
外科手術
子宮と卵巣を取り除く根本的な治療法です。緊急性が高い場合も多く、全身麻酔下で行います。当院で経験した範囲では、多くの犬が手術後に良好な回復を示しています。
内科治療
繁殖を希望する場合に限り、抗生物質やホルモン剤を使う方法があります。しかし再発率が高く、命を救う観点では限定的です。
犬の子宮蓄膿症の予防方法
確実な予防は 避妊手術 です。若い時期に避妊することで、子宮蓄膿症だけでなく乳腺腫瘍の発症リスクも減らせます。
避妊手術は6ヶ月齢前後から可能で、体力のあるうちに行うのが望ましいです。実際に当院で緊急手術を受けた犬の飼い主様からは「若いうちに避妊していればよかった」との声をよくいただきます。
犬の子宮蓄膿症の治療費用
浜松市近郊での子宮蓄膿症治療費は、
・外科手術:15万〜25万円程度(犬の体重・状態・入院日数による)
・内科治療:5万〜10万円程度が目安
経済的な負担を考えても、予防としての避妊手術(数万円程度)の方がメリットは大きいです。
犬の子宮蓄膿症を放置した場合のリスク
治療せずに放置すると、子宮が破裂して腹膜炎を起こしたり、細菌が全身に回って敗血症を引き起こしたりします。死亡率は高く、助かる可能性は非常に低いです。
「しばらく様子を見よう」と思うことが最も危険であり、早期受診が命を救う唯一の手段です!
犬の子宮蓄膿症と腫瘍の関係
子宮蓄膿症はホルモンの影響を受けるため、乳腺腫瘍との関連が深いです。避妊手術により両方を同時に予防できる点は大きなメリットです。当院の腫瘍科でも、乳腺腫瘍と子宮蓄膿症を併発する症例を多数経験しており、避妊の重要性を改めて強調しています。
さいごに
犬の子宮蓄膿症は未避妊メス犬にとって命にかかわる深刻な病気です!
浜松市にお住いの飼い主様は次の点を覚えておいてください🐕
1.子宮蓄膿症は命に直結する危険な病気である
2.初期症状は食欲不振・多飲多尿・陰部からの膿の排出
3.診断には血液検査とエコー検査が有効
4.治療の基本は外科手術
5.確実な予防は若いうちの避妊手術
少しでも異変を感じたら、すぐに動物病院を受診してください。当院では腫瘍科診療に加えて、子宮蓄膿症の診断・治療にも豊富な経験があります。愛犬の命を守るために、早めの判断と行動が大切です!
📞ご相談・ご予約はこちらから