News症例紹介

2016.08.26

犬の肺動脈狭窄症のバルーンカテーテル治療

こんにちは。獣医師の竹田です。
今回は、東京の大学で循環器を専門とされている先生にご協力を頂いて、
若齢犬の肺動脈狭窄症のバルーンカテーテル治療を行いましたので紹介したいと思います。  

一部、手術写真を掲載してますので、ご注意下さい。    

肺動脈狭窄症とは?
犬の先天性心疾患の中で2番目に多く、小型犬に多いのが特徴です。
ほとんどの症例は無症状から軽度の症状であるため、
心エコー検査で肺動脈血流速度と圧較差を測定し、しっかり重症度を評価する必要があります。 (
最大血流速度:3.5m/sおよび圧較差:およそ40-50mmHg以下を軽度、
最大血流速度:5m/sおよび圧較差:およそ100mmHg以上を重度)
また、肺動脈狭窄のタイプは弁上部、弁性、弁下部(漏斗部)に分類されます。

 

 

治療は、重症度により、体外循環下での拡大路形成術、
バルーンカテーテル術
内科治療(β遮断薬など)を行います。   スクリーンショット 2016-08-30 14.05.41

では、症例を紹介します。

プロフィール:ポメラニアン、1歳2ヶ月齢、オス、体重:2.6kg、BCS:2、
収縮期性心雑音を聴取 P1470026  
術前心エコー:右心拡大、心室中隔の扁平化、肺動脈弁の異常と狭窄像、
肺動脈弁後部のモザイク血流、肺動脈血流速度:4.55m/s、圧較差:82.9mmHgが認められた IM-0001-0001 IM-0001-0005   IM-0001-0012 IM-0001-0010 IM-0001-0009IM-0001-0014  

 

診断:肺動脈狭窄症の中等度-重度

 

 

治療:肺動脈狭窄部位をバルーンカテーテルにより拡張する P1470027P1470048スクリーンショット 2016-08-26 15.15.59 頸静脈を糸で牽引しながら、

切開、そこからガイドワイヤー、カテーテル、バルーンをCアーム透視下で、
頸静脈→右心房→右心室→肺動脈弁へと進めていき、
狭窄部位でバルーンを拡張させます。
その後、カテーテルを抜き、頸静脈の切開部位を縫合し、治療が終わります。

 

難易度は高い手術ですが、侵襲性は低く、無事に終わることができました。  

 

術後心エコー:肺動脈血流速度:1.46m/s、圧較差:8.5mmHg(術前の肺動脈血流速度:4.55m/s、
圧較差:82.9mmHg)
血流速度や圧較差は正常化し、治療が成功したことを確認できました。

IM-0001-0001 IM-0001-0004 IM-0001-0007

 

術後も良好に経過し、無事退院しました。

今後は、定期的に心エコー検査を行い、経過を評価する必要はありますが、
健康に過ごせることでしょう。  

 

当院は、循環器専門医と協力して循環器症例のより専門的な診断、治療ができる体制を整えています。

何か気になることがあれば、いつでもご相談下さい。  

この記事を書いたひと

アバター

浜松家畜病院

静岡県浜松市の動物病院です。診療対象動物は、犬、猫、ウサギ、ハムスター、フェレットなど。総合診察、予防接種 からがん・アレルギーなどの専門医療、食事や健康管理相談、しつけ相談まで幅広く対応しています。

監修

武信行紀(たけのぶゆきのり)浜松家畜病院院長

武信行紀(たけのぶゆきのり)

治療方針:恩師の言葉である「慈愛理知」(慈しみと愛をもって動物と飼い主に接し、理論と最新の知識をもって診療に当たる)を胸に、人と動物の絆に貢献します。

経歴:

  • 鳥取県鳥取市出身
  • 1999年 麻布大学獣医学科卒業
  • 2005~2009年 麻布大学腫瘍科レジデント(サブチーフを務める)
  • 2013年 獣医腫瘍科認定医1種取得
  • 2014年 日本獣医がん学会理事就任現在に至る

所属学会・研修:

  • 日本獣医がん学会
  • 獣医麻酔外科学会
  • 獣医整形外科AOprinciplesCorse研修課程終了
  • RECOVER BLS&ALS 研修課程終了

主な執筆・学会発表

  • 2003年~2007年 「犬の健康管理」 ANIMAL WORLD連載
  • 2005年 「拡大乳腺切除および補助的化学療法により,良好な経過が得られた猫乳腺癌の1例.」(第26回動物臨床医学会年次大会)
  • 2006年 「血管周皮腫の臨床的研究」(第27回動物臨床医学会年次大会)
  • 2008年 「外科切除および放射線治療を行った高分化型線維肉腫の2例」(第27回日本獣医がん研究会, JONCOL2008/No.5)
  • 2009年 「特集:血管周皮腫」 (InfoVets 2008/8月号)
  • 2010年 『小動物臨床腫瘍学の実際』 翻訳参加 (Withrow & MacEwen's Small Animal Clinical Oncology 4th ed.)
  • 2010年 「外科切除を行い良好な経過が得られた乳頭状扁平上皮癌の1例」(第30回獣医麻酔外科学会)
  • 2010年 「肝破裂による血腹が見られた猫の肝アミロイド―シスの一例」(第19回中部小動物臨床研究会)
RECRUITトータルペットケアセンター採用情報スタッフ募集中

MESSAGE FROM THE OWNER

INQUIRY FORM

この「問診フォーム」は簡易的な問診です。実際にご来院いただき正確な問診・診断をさせて頂ければと思います。

Googleフォームから問診を送る

お問合せは営業時間内にご対応させていただきます。
定期的に確認はしておりますが、すぐにご対応ができない場合もございます。
予めご了承くださいませ。営業時間:9:00~19:00(日・祝日および年末年始の休業日、臨時休診日を除く)
お返事は、いただいたお問合せに対する回答をお客さま個人様にお送りするものとなります。転載、二次利用することはご遠慮ください。
浜松家畜病院は、個人情報の重要性を認識し、個人情報に関する法令、社内規程等を遵守し、当社の事業活動のすべてにおいて、当社で取り扱う個人情報の取得、利用及び管理を適正に行うことにより、お客様の個人情報を守ります。
reCAPTCHA で保護されています。プライバシーポリシー/利用規約

[休診] 日・祝祭日

学会参加などで、臨時休診する場合があります。
獣医師シフト表で臨時休診日をご確認下さい。

[休診日の診察]

グループのドッグギャラリークリニックで対応します。

ドッグギャラリークリニックについて

専門医療診察は一部予約制になります。
前もってお電話でご予約下さい。

浜松市近郊で犬・猫のがん治療を中心とした外科治療は浜松家畜病院へ

浜松家畜病院(はままつかちくびょういん)
浜松家畜病院 診断書診療一覧
お電話でお問合せ