【浜松市近隣にお住まいの飼い主様へ】犬の白内障に関する正しい知識と対処法
愛犬の目がなんとなく白く濁って見えたことはありませんか?
それは「白内障」の初期サインかもしれません。
犬の白内障は進行性の病気で、視力を徐々に、あるいは急激に奪ってしまうことがあります。
早期発見と適切な治療が、愛犬のQOL(生活の質)を大きく左右します。
このブログでは、白内障についての情報を解説します。症状、原因、治療法、予防法、飼い主が取るべき行動などをわかりやすくご紹介し、愛犬の目を守るために役立つ具体的な知識をお届けします。
犬の白内障とは?
~目のレンズが濁って見えづらくなる病気~
白内障とは、目の中にある水晶体が白く濁る病気です。水晶体は光を網膜へと届ける役割を担っており、カメラで言えばレンズのようなものです。この部分が濁ることで、視界がかすみ、次第に見えなくなってしまいます。
犬の白内障は、進行の速さや原因によって対応が大きく異なります。放置しておくと失明する可能性があるため、早めに気づいて対処することが重要です。
犬の白内障の原因とは?
犬の白内障には、以下のような代表的な原因があります。
- 加齢(老年性白内障)
最も多い原因は老化です。8歳以上の高齢犬で多くみられ、水晶体内のたんぱく質が変性し、白濁が起こります。
- 遺伝(先天性・若年性白内障)
トイプードル、柴犬、ミニチュアシュナウザー、ゴールデン・レトリーバーなど、遺伝的に発症しやすい犬種もいます。早ければ生後6か月で発症するケースもあります。
- 糖尿病に起因する白内障
糖尿病を発症した犬のうち、約50%以上が1年以内に白内障を発症するとされています。血糖値の急激な上昇が水晶体内の化学変化を引き起こします。
- 外傷や目の炎症
目をぶつけた、引っかいたなどの外傷や、重度のぶどう膜炎などが引き金となって発症することもあります。
白内障の症状
~こんな行動が見られたら注意~
白内障の進行はゆっくりなことが多いですが、場合によっては急速に悪化することもあります。以下のような行動に心当たりがある場合は注意が必要です。
- 目の中心が白く濁っている
- 家具や壁にぶつかることが増えた
- 暗い場所で動きが鈍い
- 階段の昇り降りを怖がる
- 光をまぶしがる
- 目を細める
特に、白濁と同時に視力の低下が見られる場合は、できるだけ早く動物病院を受診してください。
白内障の診断方法
動物病院では、眼科用のスリットランプや眼底鏡などを使って水晶体の濁りや視力の状態を確認します。加えて、白内障の原因が糖尿病など他の病気にある場合には、血液検査や尿検査を併用して全身状態を把握します。
白内障の治療法
内科的治療と外科的手術の選択
初期段階の内科的治療
内科的治療では、進行を遅らせるための点眼薬(抗酸化剤や代謝改善薬)やサプリメントが使用されます。
ただし、これらの治療はあくまで進行抑制を目的としており、白濁を消す効果はありません。
中〜後期の外科手術(白内障摘出手術)
進行した白内障では、外科手術が唯一の視力回復手段です。手術は「超音波水晶体乳化吸引術」と呼ばれ、水晶体を超音波で砕いて吸引し、代わりに人工レンズ(IOL)を挿入します。
手術のメリット
- 視力の劇的な回復が見込める
- 生活の質(QOL)が大きく向上
- 衝突や怪我のリスクが減る
手術のデメリット
- 全身麻酔が必要
- 術後の点眼・通院管理が必要(2〜4週間)
手術の適応かどうかは、犬の年齢、全身状態、性格、飼い主様の通院・ケアの可否などを考慮して獣医師が判断します。
白内障の予防と進行を抑える生活習慣
定期的な眼科健診
6か月〜1年に1回は動物病院での目の検診を受けましょう。特に高齢犬や遺伝的リスクのある犬種は早期発見が重要です。
糖尿病の予防・管理
日常の体重管理や定期的な血糖チェックによって、糖尿病の予防・早期発見ができます。
室内環境の整備
視力が低下した犬がぶつかったり落ちたりしないよう、家具の角にクッションをつけたり、段差を減らす工夫が効果的です。
よくあるご質問(FAQ)
Q1:白内障は片目だけでも治療が必要?
A:片目だけの白濁でも、反対の目も進行する可能性があります。両目の検査が必要です。
Q2:手術を受けられる年齢の上限はありますか?
A:年齢よりも全身の健康状態が重要です。15歳以上でも手術を行うケースもあります。
Q3:犬が白内障で完全に失明したらどうなる?
A:完全失明でも嗅覚・聴覚を使って生活は可能ですが、事故のリスクが高まります。手術や環境調整が推奨されます。
【まとめ】早期発見・早期治療で愛犬の目を守りましょう
犬の白内障は決して珍しい病気ではありません。しかし、「まだ大丈夫」と放っておくと、視力を完全に失う可能性があります。
浜松市近隣にお住まいの飼い主様で、愛犬の目が白っぽく見える、壁にぶつかるようになった、光をまぶしがるなどの異変に気づいたら、ぜひお早めに当院までご相談ください。