こんにちは。獣医師の竹田です。
今回は、口にできものができた犬の症例について紹介したいと思います。
症例:Mix、7歳、去勢オス
主訴:下顎先端にできものができ、一ヶ月間で大きくなってきた
X線検査:局所の明らかな骨融解像は、認められず
細胞診:細胞集塊は採取されず
治療方針を決定するため、麻酔下で一部切除生検を実施
病理組織診断:棘細胞エナメル上皮腫(歯肉に発生する歯原性上皮由来の腫瘍で、転移はしないが、局所の骨組織に浸潤するため、場合によっては一部顎骨の切除も必要となる)
治療:外科切除(下顎切歯レベルの腫瘍の辺縁切除と底部骨組織の搔爬)
ちなみに放射線感受性が高いため、放射線治療も有効ですが、高価であることと遠出が必要です。
術前
術後
切歯は無くなりましたが、外貌の変化はほとんどなく、また局所麻酔も使っているため、術後は何事もなかったかのように綺麗な顔で退院しました。
以上、外科治療が有効な腫瘍のお話でした。