浜松市近隣にお住まいの飼い主様へ|愛犬の「椎間板ヘルニア」についてご存じですか?

「最近、段差を避けるようになった」 「後ろ足がふらついている」 「散歩中に急に立ち止まる」 そんな変化に気づいたことはありませんか?

 

実はそのサイン、犬の椎間板ヘルニアの始まりかもしれません!

 

今回は、浜松市で犬を飼われている皆さまに向けて、以下の情報を丁寧にお伝えします 🐶

  • 椎間板ヘルニアとはどんな病気か
  • 発症しやすい犬種とリスク要因
  • 症状の見分け方とグレード分類
  • 診断・治療方法(内科、外科、再生医療)
  • ご家庭でできる予防策

 

間板ヘルニアとは?

椎間板ヘルニアとは、背骨と背骨の間にある「椎間板」というクッション構造が変性し、

内部のゼリー状物質(髄核)が飛び出すことで、神経(脊髄)を圧迫してしまう病気です。

この圧迫により、痛み・しびれ・麻痺・歩行障害などの神経症状が引き起こされます。

特に「胴長短足」タイプの犬種(ダックスフンドやコーギーなど)に多く発症しますが、

近年はトイ・プードルや柴犬などにも増えています。

 

 

発症しやすい犬種とリスク要因

発症しやすい犬種トップ5

  1. ミニチュア・ダックスフンド 45歳で発症するケースが多い
  2. トイ・プードル 運動が活発でジャンプ癖のある子に多い
  3. フレンチブルドッグ 骨格の特徴からリスク高
  4. コーギー 胴長体型で腰に負担がかかりやすい
  5. 柴犬 年齢とともに椎間板が変性しやすい傾向

 

その他のリスク因子

  • 加齢(5歳以上) 椎間板の水分量が減少し、柔軟性が失われていきます
  • 肥満 背骨にかかる負担が増加し、ヘルニアのリスクが23倍に
  • 高い所からのジャンプ ソファや階段からの飛び降りは危険です
  • 滑りやすいフローリング 足が滑って転倒し、背中を痛める可能性があります

 

 

 

椎間板ヘルニアの症状とグレード分類

発症初期は些細な変化しか見られないことも多いため、飼い主様の早期の気づきが大切です。

主な症状

  • 背中や腰を触ると嫌がる・唸る
  • 歩行がぎこちなくなる
  • 片足をかばうように歩く
  • 足を引きずる
  • 排尿・排便に異常が出る

 

グレード分類(症状の重さ)

グレード症状内容
グレード1痛みのみ(歩行可能)
グレード2軽度の麻痺(ふらつきがある)
グレード3中等度の麻痺(後肢に力が入らない)
グレード4重度の麻痺(自力排尿困難)
グレード5完全な麻痺(痛覚消失)

グレード3以降は、外科的手術が必要になるケースが多く、早期の治療判断が重要になります。

 

診断方法|TPC浜松動物総合病院で行う検査

当院では、症状の重症度に応じて以下の検査を組み合わせて診断を行います。

  • 神経学的検査:歩行や姿勢、反射テストなど
  • X線検査:骨の変形や椎間板のスペースを確認
  • MRI検査:椎間板の飛び出しと脊髄の圧迫状況を正確に把握(全身麻酔が必要) 当院ではMRI設置がないため、他院様のご紹介になります。

MRIはヘルニアの位置と程度を正確に判断できるため、手術の可否を決める上で最も信頼性の高い検査です

 

治療法|状態に応じて選ぶ最適なアプローチ

  1. 内科的治療(軽度)
  • 消炎鎮痛剤の投与
  • ケージレスト(安静療法):最低24週間
  • リハビリ・温熱療法・サプリメントの併用

多くのグレード12の子は、数週間で回復することも珍しくありません

  1. 外科的治療(中〜重度)

グレード3以上、または内科的治療で改善が見られない場合は、手術が適応されます。

  • 片側椎弓切除術椎体間固定術などが主流
  • 入院期間:35日程度(経過による)
  1. 再生医療(先進医療)
  • 幹細胞を用いた治療法で、損傷した神経の修復を促進
  • 高齢や持病などで手術が難しいワンちゃんにも適応可能

 

 

 

ご家庭でできる!椎間板ヘルニアの予防法

  1. 体重管理 肥満はすべての関節疾患の最大リスク。月1回の体重測定を習慣に。
  2. 床の環境整備 滑りやすいフローリングには滑り止めマットを設置。
  3. 段差の対策 ソファや階段にスロープを設置、ジャンプを避ける工夫。
  4. 正しい抱き方 背骨が曲がらないように水平に抱き上げ、負荷を分散。
  5. 日々の観察 「歩き方が変?」「ジャンプを嫌がる?」と思ったら、早めに受診。

「うちの子、もしかして」と思ったら

椎間板ヘルニアは、初期対応の早さで運命が大きく変わります

違和感を感じたら、迷わず一度ご相談ください。

 

~まとめ~

犬の椎間板ヘルニアは、適切な知識予防、そして早期治療によって大きく改善できる病気です。

「ただの疲れかな?」 「少し様子見ようかな」―― そう感じたときが、病気と向き合うベストタイミングかもしれません。

大切な家族であるワンちゃんの健康を守るために、いつでも当院にご相談ください✨

 

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