猫の肺指症候群とは
ネコに特有の病気で、肺腫瘍が指骨先端に転移して起こす症状のことです。
複数の指に同時に起きることが多く、症状は指の腫れと強い痛み、時に出血です。
肺指症候群の予後は不良で、中央生存期間は60日(12~125)と報告されています。
肺指症候群の症例紹介
日本猫 、14才、去勢オス
主訴:左前足が痛そう
肺指症候群の治療
猫の肺指症候群は呼吸器症状で死亡することが少なく、原発肺腫瘍の外科切除は意義が低いと考えられています。
本症例はそれに加えて末期の腎臓病を抱えておりました。
そこで、積極的な疼痛緩和治療をお勧めいたしました。
使用した薬剤の一部です。
・フェンタニル・パッチ(貼るタイプの痛み止め)
・ブプレノルフィン(粘膜投与タイプの痛み止め)
・ミルタザピン(皮膚に塗るタイプの食欲増進剤)
肺指症候群の経過
初診(発見から1ヶ月) 触ると痛がるが、歩行はできる状態。
〜第30病日 痛み止めが効いて、食欲・元気が出てきた。
〜第62病日 痛みはほとんど無く食欲もあり。腎臓病による痙攣が起き始める。
その後、ほどなくして虹の橋を渡って行きましたが、最期の瞬間まで指の痛みで泣き叫ぶ事はありませんでした。
肺指症候群の猫たちは、ちょっと指に触れるだけで泣き叫ぶほど痛がることもありますが、本症例は疼痛治療が功を奏したと言えるでしょう。
がんの治療は治すだけではありません。
予後の悪い病気でも何かできることは必ずあるはずです。
痛みを取り除き、安らかな最期を迎えさせてあげる事も立派な医療だと思います。
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腫瘍の治療など、犬猫の病気の治療をどうすれば良いか分からない場合は、いつでもご相談ください。
あれ??何か腫れてない?
そういえば最近体重が減っているかも・・・・
触ると嫌がるようになった???
等々、何か異変を感じた場合は、当院までご相談下さい!!!
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