お久しぶりです

獣医師の大山です

今回は予防の春ということで定期的血液検査の重要性をお伝えしたいと思います。

去年のそれは春のこと

 

5歳のゴールデンレトリーバーの女の子

最近太ってきて痩せられないとのことでした。

元気も食欲もあるけれども如何せん、痩せられない。。。。

皮膚の調子もイマイチ。

 

たまたま狂犬病の予防ワクチンに来院されていたので健康血液検査を実施しました。

 

すると、何と痩せられない原因を発見!!!

 

その名も

 

「甲状腺機能低下症」

 

この病気は喉に張り付いている甲状腺という臓器が炎症や萎縮によって機能が落ちてしまう病気です。

 

代謝を上げる甲状腺ホルモンを出しています。

症状も十人十色で重篤化すれば命に関わる場合があります。

 

甲状腺の機能が落ちると

 

貧血

肌のベタつきやたるみ

胆のう疾患←破裂すると命の危険!

高脂血症←膵炎のリスクが高くなる!

糖尿病←進行すると命の危険!

低体温←冬場とかは命の危険!

神経症状←重度てんかん発作で命の危険!

など色んな危険が潜んでいます。

 

治療は甲状腺ホルモン製剤を服用することです。完治する病気ではないため

生涯薬を服用する必要がありますが、無治療の場合上記で述べたような併発疾患が発生するとより治療内容が複雑化します。

詳細は今回割愛させていただきます。

 

今回は早期発見、早期治療のおかげで本人は辛い思いをする前に非常に状態が安定し、8kgの減量にも成功しました!

 

甲状腺機能低下症は誤診の多い病気の一つであるため念密な検査が必要ですがこのように健康血液検査で早期に見つけられます。

 

もちろん、当疾患以外にも健康検査で偶発的に見つかる病気は多々あります!

 

特に5-6歳以上の子は隠れた病気を見つけるためにも、現在健康であることを確認して安心するためにも健康血液検査の実施を推奨いたします。

 

愛する家族を守るために少しお手間ではあるでしょうが病院に足を運んでいただけると幸いです

 

追伸

血液検査は基本的に8時間以上の絶食が必要です。

よろしくお願いいたします。