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2021.03.29

春の健康血液検査で救われる命

お久しぶりです

獣医師の大山です

今回は予防の春ということで定期的血液検査の重要性をお伝えしたいと思います。

去年のそれは春のこと

 

5歳のゴールデンレトリーバーの女の子

最近太ってきて痩せられないとのことでした。

元気も食欲もあるけれども如何せん、痩せられない。。。。

皮膚の調子もイマイチ。

 

たまたま狂犬病の予防ワクチンに来院されていたので健康血液検査を実施しました。

 

すると、何と痩せられない原因を発見!!!

 

その名も

 

「甲状腺機能低下症」

 

この病気は喉に張り付いている甲状腺という臓器が炎症や萎縮によって機能が落ちてしまう病気です。

 

代謝を上げる甲状腺ホルモンを出しています。

症状も十人十色で重篤化すれば命に関わる場合があります。

 

甲状腺の機能が落ちると

 

貧血

肌のベタつきやたるみ

胆のう疾患←破裂すると命の危険!

高脂血症←膵炎のリスクが高くなる!

糖尿病←進行すると命の危険!

低体温←冬場とかは命の危険!

神経症状←重度てんかん発作で命の危険!

など色んな危険が潜んでいます。

 

治療は甲状腺ホルモン製剤を服用することです。完治する病気ではないため

生涯薬を服用する必要がありますが、無治療の場合上記で述べたような併発疾患が発生するとより治療内容が複雑化します。

詳細は今回割愛させていただきます。

 

今回は早期発見、早期治療のおかげで本人は辛い思いをする前に非常に状態が安定し、8kgの減量にも成功しました!

 

甲状腺機能低下症は誤診の多い病気の一つであるため念密な検査が必要ですがこのように健康血液検査で早期に見つけられます。

 

もちろん、当疾患以外にも健康検査で偶発的に見つかる病気は多々あります!

 

特に5-6歳以上の子は隠れた病気を見つけるためにも、現在健康であることを確認して安心するためにも健康血液検査の実施を推奨いたします。

 

愛する家族を守るために少しお手間ではあるでしょうが病院に足を運んでいただけると幸いです

 

追伸

血液検査は基本的に8時間以上の絶食が必要です。

よろしくお願いいたします。

この記事を書いたひと

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大山

浜松家畜病院勤務医

獣医がん学会に所属し、腫瘍科Ⅰ種認定医の武信行紀先生のもと
日々、学習しております。
動物たちにとって最善の治療方針を飼い主さまと一緒に話して考えて
決めて歩んでいくことが信条です。
お気軽にお声かけ下さい。

【飼っている動物】犬×3 猫×2 ファンシーラット×2 レオパ×2
【好きな食べ物】ラーメン、魚介類
【趣味】動物鑑賞、映画鑑賞、温泉(自粛中)

    このブログの監修

    武信行紀(たけのぶゆきのり)浜松家畜病院院長

    武信行紀(たけのぶゆきのり)

    治療方針:恩師の言葉である「慈愛理知」(慈しみと愛をもって動物と飼い主に接し、理論と最新の知識をもって診療に当たる)を胸に、人と動物の絆に貢献します。

    経歴:

    • 鳥取県鳥取市出身
    • 1999年 麻布大学獣医学科卒業
    • 2005~2009年 麻布大学腫瘍科レジデント(サブチーフを務める)
    • 2013年 獣医腫瘍科認定医1種取得
    • 2014年 日本獣医がん学会理事就任現在に至る

    所属学会・研修:

    • 日本獣医がん学会
    • 獣医麻酔外科学会
    • 獣医整形外科AOprinciplesCorse研修課程終了
    • RECOVER BLS&ALS 研修課程終了

    主な執筆・学会発表

    • 2003年~2007年 「犬の健康管理」 ANIMAL WORLD連載
    • 2005年 「拡大乳腺切除および補助的化学療法により,良好な経過が得られた猫乳腺癌の1例.」(第26回動物臨床医学会年次大会)
    • 2006年 「血管周皮腫の臨床的研究」(第27回動物臨床医学会年次大会)
    • 2008年 「外科切除および放射線治療を行った高分化型線維肉腫の2例」(第27回日本獣医がん研究会, JONCOL2008/No.5)
    • 2009年 「特集:血管周皮腫」 (InfoVets 2008/8月号)
    • 2010年 『小動物臨床腫瘍学の実際』 翻訳参加 (Withrow & MacEwen's Small Animal Clinical Oncology 4th ed.)
    • 2010年 「外科切除を行い良好な経過が得られた乳頭状扁平上皮癌の1例」(第30回獣医麻酔外科学会)
    • 2010年 「肝破裂による血腹が見られた猫の肝アミロイド―シスの一例」(第19回中部小動物臨床研究会)
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