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院長のブログ

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先日、ビションフリーゼが「震える」と言うことで来院されました。

「部分発作」または「white shaker dog syndrome(白い犬の震え症候群)」の疑いで経過観察となったのですが、

調べていたら変わった病気を見つけました。

 

ビションフリーゼの不随意性運動障害

「どんな犬種にも起きる可能性がある病気「不随意性運動障害」だが、ビションフリーゼでの1例発表がある。症状は致命的とはいえないようだが、犬と飼い主にとって苦痛となるかもしれない。」とのこと。

アメリカのビションフリーゼクラブでは10頭以上の発症を把握しているようですが、この病気は非常にまれのようですから、

ひとまず、ビションフリーゼのオーナーさん、ご安心ください。dog_Bichon_Frise

ただし、ビションフリーゼクラブは大変熱心に遺伝学を研究をしているらしく、

下記の症状が見られたら、この病気を疑ってBFCA Health Committeeに情報が欲しいそうです。(代行はいたしかねます)

 

 

  • はじめは肘や膝(一本の足)の屈曲、または胸椎の屈曲「猫背」として発病
  • 肘や膝を強く屈曲したり、すばやい屈伸をする
  • しばしば顔半分のゆがみ
  • しばしば患肢の改善とともに、他の肢に発症
  • ぎこちない歩き方
  • 意識は正常である
  • すぐに改善して、後遺症はのこらない
  • この症状は1日のうち、10回のこともあれば、起きないこともある
  • 症状はリラックスしているときに起きるが、散歩など興奮時に起きることもある

 

なんだか、すごく「あいまい」な症状ですが、命に関わることはなさそうですDyskinesia in an adult BF

 

ただし・・・

脳の病気などの他の病気が潜んでいる可能性はあるので、

かかりつけ医や神経専門医に診察を受けるのが、お勧めですよ。

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“White dog shaker syndrome” 直訳すれば「白い犬のふるえ症候群」です。

別名「小さな白い犬の震え症候群(LWSS)」とか、医学的には「特発性ステロイド反応性振戦症候群(SRTS)、特発性小脳炎」とも呼ばれます。  

 

ホワイトドッグシェイカーシンドロームの原因

 

原因は不明です。 免疫疾患と考えられています。自己免疫性の神経伝達物質欠損だという説もあります。  

 

 

ホワイトドッグシェイカーシンドロームの好発犬種

 

ウェスト・ハイランド・テリア、マルチーズ、ビション、プードルなどの小型犬種。

日本では、ミニチュア・ダックスでの発症も報告されています。(下記参照)

 

ホワイトドッグシェイカーシンドロームの症状   5ヶ月〜3歳の時に突然発症します。

全身の震えが主な症状です。 ストレスで徐々に悪化し、威嚇反応の消失、眼振、歩行困難、けいれんが起きることもあります。

 

ホワイトドッグシェイカーシンドロームの診断

通常は症状で診断します。 MRIにより他の脳脊髄疾患(NME、GMEなど)と鑑別診断が必要です。

MRI検査の際に行う「脳脊髄液分析」で蛋白濃度やリンパ球の増加が見られることもあります。

 

ホワイトドッグシェイカーシンドロームの治療

ステロイド投与で寛解します。ジアゼパムは症状の緩和に役立ちます。

薬への反応が良ければ予後は良好とされています。 たいていは数週間の治療によって改善しますが、生涯を通じて投薬が 必要なこともあります。

 

 

 

 

文責:武信

参考文献:ミニチュア・ダックスフンドにみられたシェーカードッグ症の一例

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〜〜門脈シャントとは〜〜

門脈-体循環シャント(Portsystemic shunt:PSS)

肝臓に流入する血管(門脈)と全身循環(静脈)の間に異常な血管を形成する病気。

先天性PSSでは肝臓に血液が入らずに全身へ循環してしまうので、生まれつき肝臓が小さくなってしまいます。

好発犬種はヨークシャー・テリア、マルチーズ、ミニチュア・シュナウザーなど

〜〜門脈シャントの分類〜〜

 ①肝外単一シャント:シャント血管が肝臓の入り口で1本だけ存在。

  小型犬で先天性に発生する門脈シャントでは 80 %~ 90 %がこのタイプ。

 ②肝内単一シャント:シャント血管が肝臓の中で存在。

 ③多発性シャント:シャント血管が肝臓の入り口で多発。

  慢性の肝臓病で後天性に発生するタイプ。

〜〜門脈シャントの症状〜〜

肝臓の働きのひとつとして血液中の老廃物を処理する「解毒」があります。

門脈シャントでは血液が肝臓に入らないため、解毒が不十分になり老廃物が体内を循環します。

これによって以下の症状が見られます。

 ①神経症状(肝性脳症):肝臓でアンモニアが解毒されず、高アンモニア血症を引き起こす。症状は「食後に元気がない」、「歩行異常(ふらつき)」、「異常な行動(頭を押しつける、イライラする)」、「痙攣」など。

 ②泌尿器症状:尿酸アンモニア結晶( 50 %で発現)の尿中への排泄。膀胱内結石による血尿、頻尿。

 ③消化器症状:食欲不振、嘔吐、下痢、発育不良。

PSS を放っておくと …
肝臓の線維化が起こり、致死的な肝不全が生じてしまいます。

 

〜〜門脈シャントの診断〜〜

以下の手順を踏むことで確定診断されます。

 ①血液検査:食前,食後のアンモニア,総胆汁酸の上昇

    ②胸部レントゲン検査:小肝症(肝臓が小さい)

    ③ CT による血管造影検査:異常血管の検出

造影CT(画像提供:鈴木周二先生)

④開腹手術による門脈造影:異常血管の確認

門脈造影(画像提供:鈴木周二先生)

〜〜門脈シャントの内科治療〜〜

内科治療は肝性脳症の抑制が目的です。

食餌療法(蛋白制限食)や抗アンモニア製剤(ラクツロースなど)が推奨されます。

内科的治療のみでは、動物の寿命は 2 ヶ月から 2 年であると報告されています.

〜〜門脈体循環シャントの外科治療〜〜

外科手術は完治させる唯一の治療法です。出来るだけ若い内に行うと治療成績は良いようです。

  1.   まず、シャント血管を確定させるために門脈造影を行います。

 2.   シャント血管を探して確認し、閉鎖します。

 3.   このとき、門脈の血圧(門脈圧)を測定しながら閉鎖していきます。

門脈圧が高すぎる場合は 1 回で完全に閉鎖せず(部分閉鎖)、数ヵ月後に2回目の手術を行い完全に閉鎖します。

手術が成功すれば、約8割の症例で正常な寿命を得る事が出来ると報告されています。

 

〜〜術後の注意点〜〜

 

この手術はリスクの高い手術です。元々肝臓が悪い動物(ほとんどは子犬です。)なのに、麻酔をかけて開腹をした状態で数時間耐えなければ成りません。相応な覚悟は必要になります。

術後合併症として結紮後痙攣症候群(5%)、新しいシャントの形成(5%)などがあります。定期的な検査が必要です。

実際の手術例は「門脈シャントの外科手術」(次週記事)をご覧ください。

 

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犬の動脈管開存症(PDA)は代表的な先天性心疾患です。

子犬の胸に手や耳をあてて、ザラザラ言う異常音が感じられたら、この病気の可能性があります。

好発犬種はマルチーズ、ポメラニアン、トイプードルなどの小型犬です。

動脈管開存症の原因

正常な、胎生期の仔犬は肺呼吸をしていないため、

心臓から肺に送られた血液はバイパス血管を通じて、すぐに全身に向かいます。

このバイパス血管が動脈管です。

動脈管は生後3日以内に肺呼吸にともなって、退縮します。

しかし、ホルモン異常や酸素など、なんらかの影響により、

これが閉鎖せずに残ってしまったのが「動脈管開存症」という病気です。

動脈管が残存していると、

左心室から大動脈に送られた血液の一部が肺動脈に流れ込むことで、

肺から左心房に戻ってくる血液量が増加するため

左心房に多くの負担がかかってしまい、左心不全を起こしてしまいます。

また、肺の血圧は高くなるために血管が動脈硬化を起こし、

肺と右心系のうっ血を呈するようになり、右心不全も起こすようになります。

動脈管開存症の症状

初期ではほとんど症状を示さないため、

特徴的な雑音に気づかなければ発見が遅れることがあります。

やがて、成長とともに咳や疲れやすい等、心不全症状がみられるようになり、

うっ血性心不全や肺水腫、腹水などを呈するようになります。

個人差はあっても、多くの場合3歳までに亡くなってしまいます

動脈管開存症の診断

聴診、問診、触診の他、超音波検査とレントゲン検査で診断します。

動脈管開存症の治療

治療の方法には開胸外科手術とカテーテルによるコイル塞栓術があり、

体重と動脈管の形によってどの手術を適用するか決まります。

*このあと、症例の紹介に移ります。手術画像があるため、ご注意ください。

開胸外科手術

症例はチワワ3歳 メス

心雑音には気づいていたものの、本人に症状はなく元気いっぱいでした。

心臓の手術を行うことにためらいがあったため、

様子を見てしまったとのことでした。

超音波検査では異常血流が見られ、レントゲン検査では肥大した心臓が認められました。

これまで、相当な負担を心臓にかけてきた事を物語っています。

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がんばるぞ!

直ちに外科手術の用意が進められ、

大学病院で血管外科を手がけるS先生に、出張手術で執刀していただきました。

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術中モニタは慎重に

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動脈管に結紮糸をかけたところ

術中は血圧モニタを慎重に観察しながら動脈管の結紮を行います。

手術後の様子手術は無事成功!

2日目には元気に退院できました。

動脈管開存症と診断されたら、出来るだけ早期に手術を行うことが必要です。

よかったね手術が成功すれば、一生涯を健康に過ごすことが出来るのです

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2013.4.16

動物の車いす

今日のお客様はワイヤーヘアードのダックスちゃんです。

椎間板ヘルニアで後ろ足が麻痺してしまったので、

車いすのオーダーにいらっしゃいました。

製作のアニマル・オルソ・ジャパンさんが、

少しでもフィットする車いすを作ろうと奮闘中です。

出来上がったら、またupしますねっ。