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症例紹介

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犬の皮膚腫瘍で最も多いとされる肥満細胞腫、

なかでもパグはこの腫瘍の発生が非常に多い犬種で知られています。
症例はハルちゃん、12歳のパグです。

5~6年前からある皮膚のしこりをかかりつけの動物病院で2度切除しましたが、

傷が治りにくく、すぐに再発を繰り返しています。

今回はひどい嘔吐と呼吸が荒いということで来院されました。

 

腫瘍診断は肥満細胞腫、ステージ3(多発)でリンパ節浸潤無し。

肥満細胞は様々な化学物質を含む顆粒を持っています。

 


↑細胞の中や外にある赤紫色のツブツブが顆粒です。

嘔吐は顆粒に含まれる「ヒスタミン」という化学物質による消化管潰瘍、

呼吸促迫は同じ物質が引き起こした肺水腫によるものでした。

また、手術の後に傷が治りにくかったのは、別の化学物質、

「ヘパリン」や「蛋白分解酵素」の作用だったと思われます。

 

 

これは典型的な腫瘍随伴症候群です。

(*腫瘍そのものではなく、腫瘍が分泌する化学物質が引き起こす症状のこと。)

ほおっておけば、それだけで命にかかわる危険な症状ですから、

腫瘍の治療と並行して、対応する必要があります。

ハルちゃんにはまず胃薬や利尿剤による腫瘍随伴症候群の治療が必要でした。

 

 

幸い、治療が上手くいって元気にご飯が食べられるようになり、

飲み薬による腫瘍の治療を受けることが出来るようになりました。

癌は高齢の動物に発生しやすく、多くの合併症をはらんでいる危険があります。

皮膚のしこりを見つけたら、単純に切除するのではなく、

腫瘍の特徴を良く知り、詳しい検査で全身状態をしっかり把握してから、

治療をはじめる必要があります。